働き方改革や感染症対策の影響で、一気に普及した「在宅ワーク(テレワーク・リモートワーク)」。
通勤ラッシュから解放され、自分のペースで仕事ができるという大きなメリットがある一方で、多くの人が直面している悩みがあります。
それは、「仕事とプライベートの区切りが曖昧になる」ということです。
「始業時間になってもやる気が出ない」
「ついスマホやテレビを見てしまって集中できない」
「気づけば夜遅くまでダラダラと仕事をしてしまっている」
もしあなたがこのような悩みを抱えているとしても、決して自分を責める必要はありません。
家は本来「リラックスするための場所」であり、そこで「戦うモード」である仕事をするのは、脳の構造的にも難しいことだからです。
しかし、ちょっとした工夫やルールを取り入れるだけで、脳に「今は仕事の時間だ」と認識させ、スムーズに集中状態に入ることができます。
今回は、在宅ワーク歴の長いフリーランスやリモートワーカーも実践している、「自宅で仕事のオン・オフを切り替えるための5つのメリハリ術」をご紹介します。
Contents
1. 始業前に必ず「着替え」をする
在宅ワークの最大の落とし穴は、「パジャマや部屋着のままでも仕事ができてしまう」という点です。
誰にも会わないからといって、起きたままの格好でPCを開いていませんか?
実は、服装は私たちの心理状態に大きな影響を与えます。
リラックスするために作られた部屋着を着ている間、脳は無意識に「今はオフの時間だ」と認識し続けてしまいます。
これでは、いくら気合を入れようとしても、戦闘モードにはなりにくいのです。
「仕事用の服」を決める
必ずしもスーツやオフィスカジュアルに着替える必要はありません。「仕事用の服」を自分で決めるだけで十分です。
例えば、「襟付きのシャツを着る」「着心地の良いポロシャツにする」など、部屋着とは違う服に着替えるという行為そのものが、脳への「切り替えスイッチ」になります。
「着替えたら仕事開始」「部屋着に戻ったら仕事終了」という儀式を作ることで、気持ちの切り替えがスムーズになります。
2. 「仕事専用スペース」を物理的に作る
リビングのテーブルや、ソファで膝の上にPCを置いて仕事をしていませんか?
生活空間の中で仕事をすると、テレビ、雑誌、読みかけの漫画、片付いていない食器など、プライベートな情報が常に視界に入ってきます。
これらがノイズとなり、集中力を削いでしまうのです。
また、場所と行動はセットで記憶されます。「ここで食事もするし、テレビも見るし、仕事もする」という状態だと、脳は何をすべき場所なのか判断に迷ってしまいます。
視界をコントロールする工夫
書斎のような個室がなくても大丈夫です。以下のような工夫で「聖域(サンクチュアリ)」を作りましょう。
- デスクの配置を変える:壁に向かって座るようにし、部屋の生活感が見えないようにする。
- 視界を遮る:仕事中はパーテーションや観葉植物などで仕切りを作り、視界を制限する。
- 仕事道具以外は置かない:仕事机の上には、PCと手帳以外は置かないように徹底する。
「この椅子に座ったら仕事しかしない」と脳に刷り込むことができれば、座った瞬間に集中力が高まるようになります。
3. 「通勤時間」の代わりを作る(疑似通勤)
会社勤めの場合、電車に乗ったり車を運転したりする「通勤時間」が、実はオンとオフを切り替える重要な役割を果たしていました。
在宅ワークではこの時間が「0分」になるため、脳が切り替えのタイミングを失ってしまいます。
そこでおすすめなのが、「疑似通勤」を取り入れることです。
脳を騙すスイッチ・ルーティン
始業前の15分〜30分を使って、以下のようなルーティンを行ってみてください。
- 近所を散歩する:家の周りを1周歩いてからデスクに向かう。日光を浴びることで体内時計もリセットされます。
- コーヒーを入れる:手順の決まった作業を挟むことで、心を落ち着かせます。
- ニュースチェック:仕事に必要な情報を収集する時間を設け、徐々にビジネスモードへ移行します。
「これをやったら仕事スタート」という明確なトリガー(引き金)を作ることで、通勤時間がなくてもスイッチを入れることができます。
4. 仕事の「終了時間」を厳守し、PCを閉じる
在宅ワークで意外と多い悩みが「働きすぎてしまう」ことです。
終業のチャイムもなければ、オフィスから追い出されることもないため、「キリが良いところまで」と続けているうちに、夜中になってしまうことも珍しくありません。
ダラダラと長時間労働をすることは、翌日のパフォーマンス低下を招き、結果的に生産性を落とします。
閉店ガラガラ儀式
- アラームをセットする:定時になったらアラームを鳴らし、強制的に作業を中断するきっかけを作ります。
- PCを隠す:仕事が終わったら、ノートPCを閉じて見えない場所に片付けるか、布をかけて隠します。
- 退勤報告をする:チャットツールなどで「本日の業務を終了します」と宣言し、自分自身にも区切りをつけます。
「明日やれることは明日やる」という割り切りも、在宅ワークを長く続けるためには重要なスキルです。
5. 休憩中はPC・スマホから離れる
オフィスにいれば、同僚と雑談をしたり、トイレや給湯室へ移動したりと、自然に席を立つタイミングがあります。
しかし在宅ワークでは、一度座ると何時間も座りっぱなしになりがちです。
また、休憩時間にそのままPCでYouTubeを見たり、スマホでSNSをチェックしたりしていませんか? これでは目と脳が休まりません。
デジタルデトックス休憩のすすめ
休憩時間は、意識して画面から離れましょう。
- 窓の外を見る:遠くを眺めて目のピント調整機能を休ませます。
- ストレッチをする:凝り固まった肩や腰をほぐし、血流を良くします。
- 家事をする:食器洗いや洗濯物を畳むなど、単純作業を行うことで脳のリフレッシュになります。
- 仮眠をとる:眠気が強い場合は、15分程度のパワーナップ(仮眠)が効果的です。
画面から離れ、身体を動かすことで、午後の集中力を回復させることができます。
まとめ:自分なりの「儀式」を見つけて快適な在宅ワークを
在宅ワークでメリハリをつけるために最も大切なのは、「自分なりのルール(儀式)」を決めて、それを守ることです。
- 着替えでモードチェンジ
- 仕事専用スペースの確保
- 疑似通勤でスイッチオン
- 終了時間の厳守と片付け
- デジタル断ち休憩
これら全てを完璧にこなす必要はありません。
まずは「朝、必ず着替える」「仕事が終わったらPCを片付ける」など、できそうなことから一つずつ取り入れてみてください。
自分自身を上手にコントロールできるようになれば、在宅ワークは通勤ストレスのない、最高に快適な働き方になるはずです。

